開発者や技術者に是非読んで欲しい本リスト
このページでは、開発者や技術者の人が読んでおくとためになる(だろう)、また楽しめる本を紹介していきます。3PySci管理人Noriのおすすめの本を紹介していきます。
つまり開発の手引書や技術書ばかりを紹介するわけではなく、もっと違った方向から感性を刺激する本何かを紹介できればいいなと思っています。
そのため技術に関する本だけではなく、デザインだったり、経済だったり、幅広く紹介をして、そのなかで自分も新しい本を読んでいくことで、自分も皆さんも知識の幅が広がればいいなと思っています。
下町ロケット(池井戸潤)
この本は映画にもなりましたし、ご存知の方は多いことでしょう。
ロケット技術者だった下町の中小企業(といっても200人規模だったかな、結構大きい)の社長が、なんとか自社の部品使ったロケットを飛ばそうと色々な事件に巻き込まれるといったストーリーです。
現在、このシリーズは4作品が出版されていて
- 下町ロケット
- 下町ロケット ガウディ計画
- 下町ロケット ゴースト
- 下町ロケット ヤタガラス
と、第1作目はロケット開発に関してですが、第2作目からは新しい分野にも挑戦する姿が描写されています。
これまでも、そしてこれからも資源のない日本は技術を売っていく国だと思います。
そのため日本で生活している私たちにとって、どうやって技術が生まれ、どうやって売っていくかは重要なことでしょう。
でも現在は、仕事が細分化され過ぎていて、会社に属していようが、フリーランスだろうが、何らかの大きな仕事の流れの一端にしか触れることができないことでしょう。
そこで仕事がどうやって始まり、どんな立場の人がどういう意見を言うことで、仕事の流れが決まり、技術者・開発者がどのように新しい製品に繋がる技術を開発し、製品化していくのかを知っておくのは重要なことだと思います。
それを様々な視点から解析し、ストーリー化した「下町ロケット」はフィクションであるとしても、結構生々しく描かれていると感じました。
もちろん色々なビジネス書を読むのも、仕事のことを学べますが、こうやってストーリー化されていることで、流れが入って来やすいのではないかなと思います。
仕事は楽しいかね?(デイル・ドーデン)
このタイトルにドキッとする人も多いのではないでしょうか?
毎日毎日、同じような仕事で飽き飽きしていたり、仕事のプレッシャーに押しつぶされそうになっていたり、はたまた上司部下との人間関係にイライラしたり。
仕事に行きたくないなぁ、楽しくないなぁと思う瞬間は誰にでもあるものでしょう。
私自身もそう言う瞬間はあり、そんな時にこのタイトルを見て、ドキッとして、衝動買いしてしまった本です。
ビジネスで成功するには?社内の人間関係を良くするには?仕事をもっと円滑に進めるには?
そんな疑問に対する答えとして、色々な成功者やコンサルタントの人が、自身の成功例を軸に様々な本が出版されていますが、それはその人が成功した単なる一つのケース。
我々が本当に知らなければいけないのは、その中に隠れたエッセンスであると私は思っています。
この「仕事は楽しいかね?」は、そのような仕事で重要なエッセンスを自分で考え、答えを見つけ、行動するというのを教えてくれる本の一つだと思います。
そして何より他の自己啓発本とかビジネス本と異なり、ストーリー仕立てになっており、読みやすく、入り込みやすい、納得しやすい本となっています。
最強のデータ分析組織 なぜ大阪ガスは成功したのか(河本薫)
この本ではガス会社である大阪ガスのデータ分析組織がデータをどうやって”有効”活用してきたかが解説されています。
でも「最強のデータ分析組織 なぜ大阪ガスは成功したのか」では、データ分析の手法を紹介しているわけではありません。
実はもっと重要なことを解説しています。
現代はIoT(Internet Of Things もののインターネット)がどんどんと発展し、データを取得するハードルがどんどん下がってきています。
ですがデータをなんとなく取得し、なんとなく解析したところで、使えるものになることはありません。
またデータ解析者は、現場や目的に目を向けず、データと向き合いがちです。
さらには色々な解析手法を試したり、新しい解析手法を取り入れれば、”有効”活用できるデータになると思ってしまうこともしばしば。
しかしながらデータを”有効”活用するのに一番重要なのは、「何を知りたいのか」ということ。
その目的に沿ったデータの取得方法があり、データの解析方法があるという意識を持つことが最重要なのです。
では成功した大阪ガスのデータ分析組織のリーダーは社内でどう動き、組織をどう発展させてきたか、そのストーリが書かれているのがこの本です。
データ分析を始めた人、そして特に社内の業務としてデータ分析をしている人は絶対に読んでおいた方がいい本だと思いますし、研究者・開発者が読むことで、データとの向き合い方が変わるのではないでしょうか。
1兆ドルコーチ – シリコンバレーのレジェンド ビル・キャンベルの成功の教え
近年、「コーチング」なる手法がマネジメントの一環として取り入られているのを耳にしたことがある人は多いかもしれません。
単にやり方を教えるティーチングとは異なり、自分で考え、自発的に行動できるように導く手法だと私は理解しています。
企業にお勤めの方は、会社で「コーチング」をどう取り入れたらいいかなんて研修を受けたことがある人もいることでしょう。
しかし一回や二回、研修を受けたところで「コーチング」は身につくものなのでしょうか?
もちろんそんなことはないと思います。
では簡単に身につかない「コーチング」のスキルをどうやって身につけるのか?
本来ならば「コーチング」を身につけるためにも、「コーチング」を教える人と教わる人が定期的に顔を合わせ、教える人が教わる人の行動に対するフィードバックをしつつ、教わる人の考えを引き出し、次に行動に繋げるというサイクルが必要です。
しかし大企業なら管理職は星の数ほどいますし、中小企業ならそんなコーチングを教えてくれる人がいません。
つまり現代の管理職においては、よほどのエグゼクティブでもない限り、自分でコーチングを身につける必要があるわけです。
そこで登場するのがこの本です。
コーチング”スキル”を紹介する本は山ほどあることでしょう。
でも実は重要なのはスキルではなく、その「考え方」。
本書では実際にビル・キャンベルという世界に名だたる企業のエクゼクティブ達をコーチしてきた人がどういう考えで、どういう行動をとってきたかが記されています。
そのようなエクゼクティブが受けるコーチングを垣間見える本書は、今コーチングをしなければいけない立場の人にうってつけの一冊だと思います。
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