アルコールテスター「HB-A01」
今回はある事件によって世間で飲酒運転が騒がれていたので、アルコールテスターなるものを購入してみました。
どんな事件だったかは詳しくは述べませんが、その飲酒運転をした人の呼気には0.7 mg/Lを超える濃度のアルコールが検出され、それが基準値の5倍程度だったとのこと。
しかし普段お酒を飲んでも呼気中のアルコール濃度を測らない一般人としては、0.7 mg/Lがどれくらい飲んだ時に達する濃度なのかよく分かりません。
もちろん一般論的には情報は世の中にはあります。
例えばこちらのアサヒビールのウェブサイト。
こちらにはこんなふうに書かれています。
道路交通法において、酒気帯び運転の基準値となる呼気中アルコール濃度は0.15mg/L。血中アルコール濃度に換算すると、0.3mg/mL(0.03%)に当たります。これは、純アルコール20g(ビール中びん1本、日本酒1合、ウイスキーダブル1杯)を飲んだときの血中アルコール濃度0.2mg/mL(0.02%)~0.4mg/mL(0.04%)に相当します。
https://www.asahibeer.co.jp/csr/tekisei/drink_drive/effect.html
ただ呼気のアルコール濃度が0.15 mg/Lでビール中瓶1本ということは、0.7 mg/Lということはビール中瓶5本くらい飲んだ時のアルコール量だと考えられます。
もちろんアルコールは身体の中で分解されるので、「時間」という概念も必要ではあるでしょう。
その点に関してはこう解説されています。
体重60kgの人の場合、純アルコール20g(ビール中びん1本、日本酒1合、ウイスキーダブル1杯)が体内から消えるまでに約4時間かかるといわれています。
https://www.asahibeer.co.jp/csr/tekisei/drink_drive/effect.html
意外と長くかかるなぁと思ったのではないでしょうか。
もちろんアルコール分解速度は人によって違いますし、飲んだアルコール量が一緒だったとしても、飲んだ時の状況(食事の有無や飲酒のスピード)や体調によっても左右されることでしょう。
細かい状況は別としても、自分がどれくらい飲んだら、どれくらいの呼気アルコール濃度になるのかというのはなかなか興味深い話ではあります。
ということでその興味を試すためにアルコールテスターを購入してみました。
ちなみにアルコールテスターの説明書にもありますが、アルコールテスターで測定して呼気中のアルコール濃度が低濃度だったとしても、飲酒運転をしていいということではありませんし、本記事はそれを推奨する記事でもありません。
「飲酒運転、ダメ絶対」です。
開封の儀
色々と購入の経緯を書いてきましたが、とりあえず購入したアルコールテスターはこちら。
オーム電気のアルコールテスター「HB-A01」です。
アルコールテスターは他社からも発売されていますが、こちらを選んだ理由はオーム電気という電気機器メーカーが販売していることと、価格が安かったことです。
ちなみにテスター電池は入っておらず、単四乾電池2本が必要なので準備しておきましょう。
ということでまずはパッケージから。

なかなか無骨なデザインというか「テスターですっ!」って形状をしていますよね。
電気機器メーカーとしてのデザインへの割り切りがいいというのでしょうか。
個人的にはこういうデザインが好きですね。
裏面には使い方が記載されています。

簡単に言うと、ボタンを長押しして、起動したら少し待って、息を吹きかけるだけ。
ただ色々と注意点があるので、それはのちほど。
中身を取り出してみると、本体とストラップ、そして説明書が含まれていました。

電池は背面カバーを開けて挿入します。

これで準備OK。
とりあえず試していきましょう。
使い方の確認
計測を開始するには、本体真ん中の「POWER」のボタンを長押しします。
するとディスプレイのバックライトが点灯し、0が左から右へと移動します。

ディスプレイをよく見てみると、「Wait」が表示されています(画像ではちょっと見辛いですが…)

この状態はセンサーの初期化を行っているので、特に何もせず待ちます。
初期化が終了すると「ピッ」と電子音がなり、10からカウントダウンが始まります。

画面をよく見てみると「Blow」が表示されています。

ということでこのカウントダウンが終了するまで本体上部の穴のところに5秒くらい息を吹きかけます。
ちなみに説明書には、
*この時、息を正しく検知すると、長い「ピー」音が鳴ります。
長い「ピー」音がならない時は測定できないので、やり直してください。
アルコールテスター HB-A01 説明書より
と書かれているのですが、最初何度やっても長い「ピー」音が鳴らなくて困っていました。
その原因としてはどうやら「アルコールを含んだ息」でないと検出できず、長い「ピー」音は鳴らないようです。(オーム電気には確認をとっていないので、違うかもしれません)
アルコールを飲んだあと、測定したら鳴って、次の日(つまりアルコールが抜けた後)試してみたら鳴らなくて、再度アルコールを飲んだら鳴ったので、そう言うことなんだと思います。
そして10秒のカウントダウンが終わると、呼気中のアルコール濃度が表示されます。
この時はアルコールを飲んでいないので、0.000 mg/Lと言う結果になりました。

そしてディスプレイには「Result」が表示されます。

ここで次の測定に入る時の注意点。
連続して測定する場合や、他人が測定した直後は、通風孔内部にアルコールが残っている場合があります。その際は、本体を軽く4, 5回振って内部の空気を入れ替えてから測定される事をお勧めします。
アルコールテスター HB-A01 説明書より
実は最初、説明書を読まずに測定していたら、息を吹きかけなくても息を検知した際に鳴る長い「ピー」音が鳴り、アルコールが検出されることがありました。
この現象が通風孔内部に前に測定した際のアルコールが残っているために起こった物だと考えられます。
と言うことで測定が終わったら、次すぐに測定しない場合でも数回振っておくのがいいのかもしれません。
アルコールを飲んで試してみた
ということでアルコールを飲んで、どれくらいの呼気アルコール濃度が検出されるのか試してみました。
飲んだアルコールは、私が大好きなウイスキー。
アルコール度数は40%程度です。
水割りとかにせず、ストレートで10mlずつ飲んでみました。
時間 | 飲酒量 | 体調 | 呼気アルコール濃度 |
0分 | 10 ml | 体調的には変わらず | 0.8 mg/L |
10 | 0 mg/L | ||
20 ml | 少し身体が熱くなる | 0 mg/L | |
20 | 30 ml | 20 mlの時と変わらず | 0 mg/L |
30 | 40 ml | 顔が熱くなってくる | 0.025 mg/L |
最初に飲酒してすぐに測定した時は、0.8mg/Lという非常に高い呼気アルコール濃度が検出されました。
でもこれは血中に溶けて、再度呼気に出てきたアルコールではなくて、飲んだ時に口の中に残っていたアルコールだと考えられます。
ということでアルコール飲んですぐに測った結果は信用できないです。
そのため説明書にも、
本製品のセンサーは、アルコール成分以外にも、一酸化炭素、揮発成分、化学物質等に反応することがあります。洗口剤の使用、喫煙の直後は水でうがいをし、20分以上経過後に測定してください。
アルコールテスター HB-A01 説明書より
とあります。
ということでマウスウォッシャーを使う方や喫煙される方は気をつけてください。
その後10分置きに、10mlずつ飲酒していったのですが、血中に溶けて、呼気に出てきたと考えられるアルコールが検出されたのは40分後で0.025 mg/Lでした。
もちろん身体の反応としては、すでに熱くなっており、飲酒の影響は出ているのですが、思ったよりも呼気に出てくるのは後なのかなぁと感じました。
私の普段の飲酒量からするとここら辺までなので、実験はここまで。
今回の結果からすると、やはりこのアルコールテスターで0 mg/Lと表示されていたとしても、もしかしたら血中を調べたら十分に検出されるかもしれません。
アルコールを飲んで、このアルコールテスターで検出されなかったからといって、運転はしないようにしてください。
アルコールを飲んだのであれば、運転しない。
これは徹底しましょう。
飲酒に関しては色々な意味で注目されているので、もし興味があればこういったアルコールテスターを購入して色々と実験してみてもいいのかなと思います。
ということで今回はこんな感じで。
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