修正を重ねるとエラーが…
最近、FreeCADでデザインをして、修正しようとするとエラーが出てしまい、最初からやり直すなんてことが何度かありました。
そこでどんな時にエラーが出るのか、どうしたらエラーが出なくなるのか、色々と試してみました。
そこで分かった原因と対策を今回は紹介していきたいと思います。
まずはこちらのデザインを見てください。
三角形に穴が2つ空いています。
この穴のうちどちらかは修正に弱く(エラーになりやすい)、どちらかは修正に強い穴(エラーになりにくい)になります。
ということで修正、つまり形を変えてみましょう。
形を変えると左の穴は位置を変え、右の穴は無くなってしまいました。
ということは右の穴の方が修正に弱い穴なのでしょうか?
左上の箱をクリックして、表示の方法をワイヤーフレームに変えてみましょう。
ワイヤーフレームで見てみると右の穴は先ほどと全く同じ場所にあります。
形が変わったことで、面が被さってしまい、見えなくなっただけでした。
しかし左の穴は最初に設計した場所になく、位置がずれてしまっています。
ということで実は左の穴が修正に弱く、右の穴が修正に強い穴でした。
どうやってデザインしたら、修正に強くなるのか?
先ほどの左の穴と右の穴、実はスケッチの方法が違っています。
順を追って、どうデザインしていったのか見てみましょう。
まずはFreeCADを起動し、新規作成、XY平面にスケッチを作成します。
四角形を描き、
横線の中心を縦軸に、縦線の中心を横軸に拘束し、
縦線と横線の長さを10 mmに拘束します。
スケッチを終了し、パッドで10 mm押し出します。
側面をクリックし、スケッチを作成します。
線で三角形を描き、
右上の点の位置を縦:10 mm、横:5 mmに拘束し、
左上の点から縦軸までの距離を-5 mm、右下の点から横軸までの距離を0 mmに拘束します。
スケッチを終了し、ポケットで10 mm削ります。
斜面をクリックして、スケッチを作成します。
適当に円を描き、
円の半径を1.5 mmに拘束し、
円の中心の縦の位置を3.5 mm、横の位置を-2.5 mmに拘束します。
スケッチを終了し、ポケットで10 mm穴を開けます。
次にデザイン画面の何もないところをクリックして、何も選択していない状態にします。
XY平面にスケッチを作成します。
適当に円を描き、
半径を1.5 mmに拘束し、
円の中心の縦の位置を2.5 mm、横の位置を0 mmに拘束します。
分かりにくい時は表示方法をワイヤーフレームに変えましょう。
スケッチを終了し、スケッチの位置を移動していきます。
左のリストから先ほど描いた円のスケッチを選択します。
下に出てきた「Attachment」の中の値を変えていきます。
「Attachment」のうち「角度」を45°、軸をX:0.00、Y:1.00、Z:0.00、Positionをx:0.00 mm、y:0.00 mm、x:5.00 mmにします。
スケッチをずらせたら、ポケットで10 mm穴を開けます。
これで出来上がりです。
ポイントは?
一体何がポイントだったのか分かりましたでしょうか?
左の円は「構造上にスケッチを作成した」のに対し、右の円は「基本平面(今回はXY平面)にスケッチを作成し、スケッチの場所を移動した」というのが大きな違いになります。
この時、「構造上にスケッチを作成」すると、その構造が変わった際、スケッチの位置もずれてしまい、結果そのスケッチで作った構造もずれるということです。
さらにもしスケッチの位置がなくなってしまった場合、エラーとなることもあります。
しかし「基本平面(今回はXY平面)にスケッチを作成し、スケッチの場所を移動」した場合、基本平面は何をしても位置は変わりませんので、他の構造をどれだけ変えようが、このスケッチは影響を受けないわけです。
考え方としては、前者の「構造上にスケッチを作成した」というのは”相対的な位置”を決めたということで、後者の「基本平面(今回はXY平面)にスケッチを作成し、スケッチの場所を移動」は”絶対的な位置”を決めたと考えられるでしょう。
確かにスケッチを移動させるというのは手間にはなるのですが、その後修正すること考えると、オススメとしては「基本平面(今回はXY平面)にスケッチを作成し、スケッチの場所を移動」となります。
ということで、3PySciでもこれからはそのように設計していきたいと思います。
ではでは今回はこんな感じで。
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